Big Echo/The Morning Benders
2日続けての音楽エントリ。しかし昨日のCSSほど長く、熱くは書けません。全然聴き込めてないので簡単に。今聴きながら書いてます。
- アーティスト: Morning Benders
- 出版社/メーカー: Rough Trade Us
- 発売日: 2010/06/08
- メディア: CD
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1曲目からいきなり、サマソニで一番の盛り上がりを見せた、名曲Excuses。これはほんとに美しく雄大な曲。イントロの、バックでさりげなく乱反射している鍵盤の音色からして素晴らしいね。そしてワン、ツーのかけ声からドラムが雪崩れ込むように入ってきて、ゆったりとしたメロディがボーカル、クリス・チュウくんの輪郭のくっきりした美声で歌われる。後半の、昂揚感を徐々に高めていくハイハットが個人的には特にぐっときます。
彼らの音楽を形容するとき、度々「サーフミュージック」という言葉が使われるけれど、実際聴いてみたかんじだと、サーフというよりクラシカルなポップミュージックの影響が強い気がする。どの曲もメロディがしなやかで、ポップ。そしてハーモニーの重ね方がとても綺麗。これはビーチ・ボーイズやガールズ・ポップ・グループを想起させるかんじ。新しいことは何もしていないし、古い音楽を今の音楽へアカデミックに再構築していくみたいなこともしていなくて、純粋に現代を生きる若者の感性でもってクラシカルなポップスを鳴らしてみたというかんじなんだけど、そうしてできあがった音楽はとても瑞々しくて聡明な輝きに満ちている。
それと、メロディ、ハーモニーに耳がいきがちだけど、ジャキジャキしたギターやキラキラ輝く鍵盤、聴くものを鼓舞するようなドラムなど、どの楽器もさりげなくいい仕事をしていて、それぞれが有機的に絡み合っている。サマソニでも思ったけど、安定した演奏だよなあ。地に足がついていて、一つ一つの音が的確。
チュウくんの歌も素晴らしい。表現力のほうはまだまだ伸びしろたっぷりだと思うけど、声質そのものがすごくいいし、歌唱力もある。ツアーを重ねてさらにレベルアップしていること間違いなしだから、次のアルバムでは彼の歌にもますます期待が高まる。
ただ、最初に書いたように彼らは少し器用すぎるような気がするので、もっと逸脱してもよいのになーと思ったりする。その点で、形よくポップにまとまった前半のほうが個人的には好みであるものの、内宇宙で音がグワングワン渦巻くような後半の展開のほうに彼らのこれからは見出だせるのかもしれない。後半のほうが、歪みやノイズを意識的に顕在化させているかんじなのだよね。次のアルバムではこれをさらにどう形にしていくかが気になるな。
と、ちょっと短めですがこんなところで。またこれから聴き込んでいこう。