サマソニ一日目雑感(つづき)

早速昨日のつづきから。マリンステージで若手二組のナイスな演奏を聴いた後は、屋内のマウンテンステージへ移動してPassion Pitを観た。


Passion Pit
こないだ出たセカンドアルバムを聴き損ねた状態で臨んでしまったので、よく知らん曲もあったのだけど、そこは流石。初聴でもノれるポップネスとキュートネスはセカンドの曲にも健在のようで、よく知らんでも自然と身体が動く。しかし、やっぱりマウンテンって難しいというか、微妙なステージだなあと思った。音はよくないし(そもそもメッセ自体、演奏するのによい環境ではない)、なんか横に間延びした形状だし、あの空間を抑えようとするとどうしてもデカい音量で力押しになってしまう気がする。それでうまくやれるバンドもあるけど、正直Passion Pitにそういうスタジアムロックっぽいのは似合わない……。何より力押しの演奏になってしまうことで、彼らの小じんまりとした可愛らしさや繊細なエモさが失われてしまうのがもったいない。決して悪い内容ではないのだけど、2年くらい前にソニックステージで観たときはもっと多幸感に溢れる素敵なライブだっただけに、もちっと小さいハコならよかったのになあと思ってしまった。でもまあ、なんだかんだいってSleepyheadで踊りまくったんだけども。ちなみに全然関係ないけど、マウンテンステージって再結成/活動再開組との相性がいい気がするな。ライドン先生(Sex PistolsでもPILでも出演済み)とか、あの間延びした空間を実に上手にコントロールするよね。


Gotye
Passion Pitが終わって外を見るとどうやら雨が降っているらしく、イヤだなーフランツまでに止むかなーと思いつつ、とりあえずソニックステージへ移動。Gotyeを観る。アルバムは最近作のMaking Mirrorsしか聴いてなかったけど、ライブはやはりこのアルバム中心の構成だったし、他のアルバムからの曲もかっこよくて十分楽しめた。遠くから観てたのでステージ上のセットやバンドメンバーの様子はよくわからなかったが、生演奏に加えてラップトップも使い、さらにバックスクリーンでは各曲のイメージに合わせた映像も流し……とサウンド面でもヴィジュアル面でもかなり力の入っていて完成度が高い。そんでもって何よりね、ゴチエさん日本語うますぎ。イントネーションがパーフェクト。特に「サービス」とか「オーディエンス」とかのカタカナ英語がちゃんと日本語的な発音になっていたことにびっくりした……あんまり綺麗な発音だからまるで機械が喋ってるみたいだったよ。選曲・曲順も(個人的に)なかなかニクいとこをついていて、30分くらい観てフランツに移動しようかなーと思ったところで、Eyes Wide Open→Somebody That I Used To KnowというMaking Mirrorsの中でも特に好きな2曲のコンボで動けなくなった。しかもヒット曲のSomebody~ではなんと「(フィーチャリングの)Kimbraちゃんが来れなかったから、みんなで彼女のパートを歌ってくれる?」と(もちろん日本語で)言って、そこそこの長さがあるKimbraのパートをガイドもなく歌わせる。ゴチエさん、それはちょっとムズいよ。私もぜひとも歌いたかったのだけど、歌詞をよく覚えてなかったので最後の♪somebody that you used to know〜ってとこだけ元気よく歌いました。はい。


この曲を聴いて満足して、今度はフランツを観るためにマリンステージへ。



Franz Ferdinand
今年はメッセ→マリン間の道が長くなった(今までガシガシ歩いていた芝生を迂回する形になったので)こともあり、急いで移動。会場に入ると、ちょうどUlyssesを演奏している。アリーナはもちろん、スタンド席もほとんど埋まっていて、バンドの人気の高さを思い知る。残り30分くらいあったのでけっこうたくさん聴けるかなーと思っていたのだけど、Ulyssesが終わるともうクライマックスモードというかんじ。会場の空気も完全にできあがっていて、これは最初から観るべきだったと後悔……いやゴチエさんもよかったから後悔はしていないのだが、しかしぐぬぬ……となんだか歯がゆい。とはいえ、ライブには定評のある4人だけに、エネルギッシュかつ職人的に計算された見事なパフォーマンスで、短い間でも十二分に楽しませてくれました。4人でドラムを叩きまくるラストには普通に圧倒された。今度は最初から最後までしっかり観なくてはな。


フランツ後はそのままマリンに残り、Green Dayを観ることに。開演まで時間があったので、ピザを買いに行く。けっこう食べごたえがあるわりにペロッといけちゃうのがピザのいいところ。サラミ+トマトソースのオーソドックスな味わいが沁みました。


Green Day
7時を少し過ぎたところで、一日目のヘッドライナーが登場。一曲目のWelcome To Paradiseからエンジン全開、ノンストップで演奏しつづける。しかも曲間ではビリー・ジョーが「エーオ!エーオ!」「チィィィィィバァァァァアアア!!!(幕張は東京じゃないと認識してくれてたようです)」とオーディエンスを煽りまくり。あんなにしつこいコール&レスポンス(貶してません)は初めて経験した。そんな中でも特に印象深かったのは、ビリー・ジョーが何度もシャウトしていた‘Are you ready!!!???’という言葉。あんまり何度も何度も言うもんだから、「何回それ言うんだよ!もう準備万端だよ!」とツッコミたくもなったのだけど、途中からこの言葉が「準備できてるか?」というより「まだまだついてこれるか?」という意味で言っているように聞こえてきた。40才を迎えてもなお、先頭きって全力疾走して、後ろを振り返っては「ついてきてるか?さあ行くぞ!」とファンを鼓舞する。それがGreen Dayなのだと思う。一時間くらい観たところで、妖精ヨンシーを拝むためにメッセに移動したのだけど、彼らはあのテンションで2時間やり通したのかな……やり通したんだろうな。やっぱただ者じゃないわ。


Sigur Ros
尋常じゃない盛り上がりを見せるマリンステージを後にして、今度はまたメッセに移動(の前に実はケバブを食べてたりする。肉の香ばしさとシャキシャキきゃべつの相性は抜群)。マウンテンに到着したらちょうど演奏が始まってる頃かなと思ったのだが、少し遅れているらしくバンドの登場を待つ。この間に眠気に襲われ、こっくりこっくりきたので、この日はそのまま微睡みながら演奏を聞くことに決定。なもんで、しっかりと聴いてはいないのだけど、眠たい頭にヨンシーの妖精のような歌声が広がって、なんとも幻想的。早めに帰らなくちゃならなかったので、最後まで観れなかったのが残念だけど、「半分寝ながらシガー・ロスを聞く」というたいへん贅沢な体験をさせていただきました。


というかんじで1日目が終了。そんなに数見てないわりには時間に余裕がなかったなあ。食べる時間が長かったのかしら。ちなみに2日目はもっと食べてます。そちらについてはまたぼちぼち。