期待の新譜

最近とんと新譜情報に疎くなってしまいましたが(音楽雑誌まったく読まなくなったからね)、それでもこの夏〜秋にかけて楽しみにしてるアルバムがいくつかあるので、今日はそれをご紹介(いやお前が何楽しみにしてるかなんて知らねーよって話だけど)。まあ、怠惰な人間が日記を書くついでに先行公開の新曲やらアルバムのアートワークやらを確認しちまおうってたくらみなんでお許しを。

さて、まず最初はCSSのサード、「La Riberacion」。

ラ・リベラシオン

ラ・リベラシオン

8月24日発売。もうすぐだね。Primal ScreamのボビーやRatatatなどが参加。HMVの紹介によると、どの曲をシングルカットしてもいいくらいのクオリティだそうです。2008年のセカンド「Donkey」が大好きなので、新作もすごく楽しみにしてる。あのアルバムは微妙な評価をされているけど、アイディア勝利の舌足らずなエレクトロポップ/パンクだったファーストからしっかりと音楽的進歩を遂げつつ、ファーストのガールズパーティ的な楽しさも残した、とても伸びやかなポップアルバムで素晴らしいと思う。女の子たちがゴムとびしてるような跳ねる音楽。ホップ・ステップ・ジャンプの軽やかさが素敵。すでに全曲試聴が始まっているようだけど、アルバム買ってのお楽しみにしたいから聴かない。

お次はGirlsのセカンド(でいいよね?)「Father Son Holy Ghost」。

ファーザー、サン、ホーリー・ゴースト

ファーザー、サン、ホーリー・ゴースト

9月7日発売。ファースト「Album」も好きなのだが、それ以上に昨年のミニアルバム「Broke Dreams Club」が大好きでね。ファーストは、砂に混じったダイアモンドの原石のように、ザラッとした宅録サウンドの中に切なくポップなメロディが輝いてるってかんじだったけれど、ミニアルバムは、ちゃんとしたスタジオに入りいい機材を使ってレコーディングしたために、グッドメロディにさらに磨きがかかって洗練されたヴィンテージポップになっていた。音がクリアになったことで彼らの曲の魅力がよりくっきりと輪郭をもって立ち上がるようになったんだよね。ザラついた刹那的な感覚はなくなったけれど、それで彼らの魅力が褪せるようなことはなかった。むしろ何段階もはっきりした。だから今度の新作にはすごく期待しちゃう。いい筆といいキャンバスを手に入れた才能豊かな画家が、どんな絵を完成させてくるかに。


先行公開されているVomitを聴いてみた。これは美しい。クリストファーがそっと言葉を吐き出すダウナーなオープニングから、ノイジーにギターがかき鳴らされる中盤、そして4分10秒あたりから柔らかなメロディがなめらかに流れ、ラストはゴスペルのようなソウルフルなコーラスが降り注ぐ。1曲の中でいくつもの世界が展開し、最初と最後ではまったく違った印象を受ける、小旅行のような6分37秒。これは新譜への期待がますます高まるよ。

最後はThe Drumsのセカンド「Portomento」。

ポルタメント

ポルタメント

昨年のファーストフルアルバム「The Drums」は、ポップで楽しい前半とダークで内省的な後半のバランスが悪く、EP「Summertime!」の魅力が失われてしまっていたんだけど、今回の新譜は以前このブログで紹介した先行曲Moneyがいいかんじだったので期待してる。

これすきなんですよ。変態でくねくねしてて。イントロのギターからすでに神経症気味でいい。ジョナサンくんのボーカルもこれまでと違って、ダークでちょっと呪術的で、この奇妙さがクセになる。それにしても改めて聴くとニューウェーブ色強いというか、80年代ぽいというか。

ファーストは、よきアドバイザーとしてのプロデューサーがいれば、ああいうふうに歪にはならなかったんじゃないかなあと勝手に考えていて、しかしそれだと彼らの「自分たちで作り上げてく(彼らはセルフプロデュースの上にアートワークなんかも自分らでやってるんよね)」っていう魅力がなくなってしまうし悩ましいなあとか思っているのだが、今回はそのへんどうなんでしょうね。まあそれはアルバム買ってクレジット確認すればいい話だ。