犬の力(上)

キック・アス」の感想は結局今日も書けなかったので、『犬の力』の上巻の感想を。

アメリカとメキシコを中心とした麻薬戦争に巻き込まれる(というか抗えず惹かれていく)人々の20年を越える物語。登場人物多いですね。まずページをめくると、主要登場人物がずらっと書かれている。多い。しかもそこに書かれた人物以外にも重要なキャラクターが何人か出てきて、また同じ人物でも場面場面で呼び方が違ったりして、けっこう混乱します。さらに舞台となる土地も様々だし、いろんな組織が出てきてどう関わっているのか把握するのが難しい。70年代、80年代のアメリカを中心とした情勢や向こうの政治システムをある程度知っておいたほうがいいかもしれない(ニカラグアのサンディニスタ政権とそれに対抗するコントラのことはザ・クラッシュとヴァンパイア・ウィークエンドのおかげで知ってましたー)。

ということで、けっこう読むのに時間がかかってしまったのですが、中盤あたりからはいい流れで読めたかな。でもやっぱ、上巻は上巻だと思いました。下巻あってこそだよね、たぶん。これからが本当の闘いだってかんじで終わったので、読みごたえはあったけど何となく煮え切らない印象でした。下巻はもっと盛り上がって、エンジン全開ってかんじになるんでしょうか。私はそういうのを期待。あと冒頭の場面がどう繋がってくるのかなってとこも気になる。

一番好きな章(?)は第二部・ケルベロスの6・底の底から打ち震え(地震のところ)です。他の場面がみんな血みどろで黒いなか、この地震の一連の流れは神々しさすら感じます。パラーダ神父とノーラ、大好き。これが上巻の真ん中あたりに入ってるのはやっぱり意味がある気がします。いやほんとノーラ素敵。

で、この作品、ガチでイケメン揃いです。正義とか悪とか関係なく、自分の生き方に筋を通した美しい男達。私はカランが好きですねー。愚直で、でもどうしても思い通りにことを進められなくて。悲哀を感じるよ。顔的にはたぶん、ファビアンが好みかな(「トニー・カーティスをヒスパニックにした」顔だって。若かりし日のトニーはまじでヤバいです)。このイケメン達が下巻でどんな闘いを魅せるか注目。あとノーラがそこにどう絡んでくるか。

早く下巻読みたいけどもしかしたら間が空いちゃうかもしれない…。大学絡みで読まなきゃならない本があるので。でも高校卒業するまでには絶対読むよ!

ところで、「むむむ」という変なタイトルのエントリについたブクマをさっき読みました。泣きそうになりましたよ。本来ここでお礼を言うことではありませんね。でもこういうときどこでどうリアクションするのが、はてな的に正しいのかわからないのです。てか実際会ってお礼したいー。ハサミさんチケ買いましたよ!(←これもここで言うことじゃない)