自分のことはよくわからない、でも君のことは知ってる/ラ・ラ・ライオット「ジ・オーチャード」
Ra Ra Riotの2nd「The Orchard」聴いてる。いいなぁ、すごい好みの音だ。1stが出たときから気になっていながら、今までずっと聴いてこなかったんだけど、この2ndがすごくいいって評判になってるのでようやく購入して聴いてみました。いやあもう、Vampire Weekend大好きなんだから早く聴いとけよって話だ。今年の5枚に食い込みそう?
妹沢奈美さんのライナーノーツによると、Dirty Projectors(DP)、Vampire Weekend(VW)、そしてこのRa Ra Riotの3バンドはそれぞれデビュー前から交流をもっていたらしい。確かに彼らの音には繋がりを感じる。私はこれまでDPとVWの音源しか聴いたことがなく、それでもこの2バンドの繋がりや最近のNYシーンの空気は窺い知ることができたわけだけど、今回Ra Ra Riotというピースが加わったことで、さらに有機的にNYのバンドの繋がりを感じとれるようになった。言うなれば、今までは2つの点が繋がった線であったのが、3点が繋がって三角形になったような。
彼らはみな、冒険的でおもしろいポップミュージックを作るバンドだと思うけど、同時にその生みだす音には互いに代替できない各バンドの個性、アイデンティティが表れていて、DPはちょっとアカデミックだし、VWはパンキッシュで知性と反骨精神が織りなすエッジがある。じゃあRa Ra Riotはどうかというと、3バンドの中で一番エモーショナルな音かなと思う。メンバー構成は男女混成でコミュニティっぽいし、バンドの写真なんか見ても人数の少ないLos Campesinos!(ロスキャン)というかんじで和気あいあいとした雰囲気(チェロとヴァイオリンを有し、いわゆるインディーロックの枠組みからはみ出すポップミュージックを奏でるところもロスキャンに似てる)。このナチュラルでエモーショナルなところが好きだなぁ。
それからボーカルのウェスの声がすごくいい。ポップという音楽の奥深くまでスーッと導いてくれるような伸びやかさがある。曲単位だと、"Boy"が断トツに好きで、次いで"Foolish""Massachusetts"あたりのちょっと変わったポップソングが好き。このあたりの曲はバンドとしても新機軸の音らしく、やっぱり1stも聴かないと彼らの本質はわからんよね。ってことで近々1stも買います。
- アーティスト: ラ・ラ・ライオット
- 出版社/メーカー: ホステス
- 発売日: 2010/10/27
- メディア: CD
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