ドリアンさんごめんよ

『ドリアン・グレイの肖像』が全く読み終わらない。明日図書館に返却なのにまだ半分までしかいってない。なんでや。いや、理由はぼんやりとわかってるけど。

この小説、けっこう説明っぽいんだな。特にヘンリー卿の快楽主義理論のあたり。とても書き込んであって読み応えがあるんだけど、読んでるうちにちょっと疲れちゃう。書いてあることが多いんだな。あらゆる場面、状況を、常に細部に至るまで説明しつくしてしまうというか、途中で作者自身が出てきて、彼自身の言葉を尽くして説明を書き込んでいったような感じがする。何ていうか、ちょっと進んだら一旦止まってそれについて事細かに説明し、またちょっと進んで止まり説明、という感じでなかなか物語が進展しない。

しかし中に書いてあることはおもしろいんだ。ヘンリー卿は隙あらばウィットに富んだ切れ味鋭いラインを次々にぶち込んでくるし、現代社会や美についてとても細やかに丁寧に書き込まれていて、オスカー・ワイルド自身がこれらの事柄についてたいへん深い考察をしてることがわかる。しかし相性なんだろうか、こないだ読んだ『蹴りたい背中』に比べて圧倒的に読む速度が遅い。ちょっと読むのめんどくさくなってきた。とりあえず明日借りるのを2週間延長して、もうちょっとチャレンジしてみる。他にも何か借りてこよう。