上半期ベストというかなんというか

一応上半期まとめということで、この半年で観た新作映画の中から気に入ったものをいくつか選ぼうかなと。ただ、今年の上半期は、前半はけっこうまじめに感想を書いてたんだけど、学校が始まってからこれまでと生活リズムが大きく変わってしまって感想をまとめられてないものが多く、作品によって消化具合にかなり差があるのが難点。しかもここ一週間くらいまったく映画観てないしね……(これはユーロとウィンブルドンのせい)。まあとりあえずメモとしていくつか貼っておく。

最初の四半期まとめでベストにあげたのは、たしかこの3つ。
シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」

ガイ・リッチー、ハリウッド作家として快心の一作。正直不安もあったけど、とってもよかった。ひたすらにポップで陽性なエンタメ性でもって一級の商業映画を構築する元相棒マシュー・ヴォーンに対して、リッチーは英国らしい灰色の湿っぽさを保持したままハリウッド映画のスケールの大きさを実現した。てことで、とにかくこの違った魅力を持つ二人のコンビ再結成が待たれます(それが言いたいだけ)。

ヤング≒アダルト

誰からの手も借りないかわりに、誰にも手を差し出さない正直さが、とても誠実に感じられた作品。結局、自分の立ち位置は自分でしか決められない。ジェイソン・ライトマンの苦みの表現はますます洗練され、ますます「都会で働く女子度」がアップしてるかんじ。

J・エドガー

本国では批判も少なくないようだけど、私は大好き。ていうか!なんで!こんなに!かわいいの!この二人!FBIのフーバー長官を演じたディカプリオとその右腕トルソンを演じたアーミー・ハマーが隣り合って座る姿を見るだけで、なんだか微笑ましく、やさしい気持ちになってしまうという、まさかそんな映画だなんて想像していなかったよ。「ソーシャル・ネットワーク」に通じる「アメリカンドリームの神話」としても興味深い一作。

で、この3つに4月以降に観た作品から更に2つを加えて5つにしてみようと思う。正直、第2四半期は良作が多く、たくさんの作品が横並びの状態なので3つに絞るのがとても難しい……が、思いつくままに挙げると、

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜

人種問題をとりあげた作品であるのはもちろんのこと、それ以上に女性にとっての「書くこと、語ること」の重要性を描いた作品ではないかと。「もう一人の語り手」が語りはじめるラストは、不穏な空気を湛えつつも、小さな希望を感じさせて感動的。女優陣の素晴らしさは言うまでもなく。

ファミリー・ツリー

まあ憎たらしいくらいに脚本も演技もよくできている。家族の結束を強化する、みたいな話になっていないのがいいなあ、と。先祖代々受け継がれる土地に連綿と続く生の物語を読み取って、自分たちの「血」を知る、そういう意味での家族映画ではないかと思う。


てことで、こんなかんじ。気力が尽きたのでここでおしまい。。