RED レッド

去年の10月頃に初めて予告を観てからずっと楽しみにしてた「RED レッド」を観てきました。元CIAの凄腕スパイ集団RED(超危険な年金生活者)が命を狙ってきたかつての職場相手に大暴れするお話。キャッチコピー曰く、「若造は引っ込んでな!」だそうです。

ツイッターなんかを見ていると、かなり評判いいですね。確かに緩い展開ながらつくりは丁寧でいいと思うのですが、思いの外ノレず。若干物足りなさを感じてしまい、めいっぱい楽しめなかったのがちょっと悲しかったり。でも観賞前の予想とは異なりすごく「かっこいい」作品で、その点では嬉しい驚きというか、十二分に満足したのであった。

何より主演のブルース・ウィリスがかっこよかった。劇中では「サラ(メアリー=ルイーズ・パーカー演じるヒロイン)に出会う前の僕は生きがいをなくしていて……」みたいなことを言ってたけど、いやいやまったく枯れていませんよ。未だに主役をはれるし、色気があるのよね。ブルース・ウィリス主演ってだけで、勝ったようなものです(何に?)。

ウィリス演じるフランクを追うCIA職員クーパー役のカール・アーバンがまたウィリスに引けを取らないほどかっこよかったです。この二人のやり取りは熱い。単に敵同士の関係ではなくて、フランクがクーパーにかつての自分を見ているあたりがよかった。個人的にはこの二人メインでぐいぐいやっていくほうがおもしろいんじゃないかなと思いました。

あとヘレン・ミレンの白のドレス姿が素敵です。白というのは他の色を引き立てるし、ミレン姐さんにも似合いの色なのでいいですねえ。ドレスにブーツというかっこうでクールにマシンガンをぶっぱなす姿がかっこいい。そういえば「ナイト&デイ」のキャメロンもドレスにブーツで頑張ってましたね。

そうそう、この作品は「大御所が大暴れするアクション映画」ってことで「エクスペンダブルズ」と比較されたりするけど、実際はどちらかというと「ナイト&デイ」ですよ。ヒロインのメアリー=ルイーズはキャメロン・ディアスほど活発には動き回りませんが。。。実はロマンス中心の構成になっているし。

それで思ったんだけど、敵陣営のあぶりだし方にもう一捻りあったらよりおもしろかったんじゃないでしょうかね。「エクスペンダブルズ」みたいに「敵が誰とか関係ねえー!」で終わらせるよりは、追う者/追われる者の構図をはっきりさせたほうがこの作品の場合よかったんじゃなかろうか。「ストーリーなんてあってないようなもの」映画のようでいて、実はけっこううまく作られていたので、緩さを残すより本格的に作り込んだほうが……と思うんだけど、この意見は少数派のようなので、単に私のツボじゃなかったのかもしれない。

しかしアクションは非常にパワフルで気持ちよかったですよ。ブルース・ウィリスが車から「すっと」出て銃を撃ちまくるシーンやマルコヴィッチが手榴弾を打ち返すシーンの抜けのよさはなかなかでした。