「キューティ・バニー」メモ

今日は信頼するお姉さんのオススメキューティー映画、「キューティ・バニー」を観た。

27才という年齢を理由にお払い箱になってしまったプレイメイトシェリー(アナ・ファリス)が辿り着いたのは、イケてない女子学生ばかりの寮、ゼータ。そこで彼女は寮母として寮生たちをモテモテ女子に大改造することに……。

シェリーの指南を受け、イケてるルックスに変身する女の子たち。でも、見かけが変わって中身が空っぽになってしまうんじゃしょうがない。調子にのってそのことを忘れてしまった彼女たちは今一度自分たちの内面に立ち返る、という成長のストーリーに、孤児院育ちで常に自分の居場所を探してきたシェリーの物語が絡んでいくのだけど、 こうした「外見が変わっても自分を見失わないで」とか「いえさがし」といった根幹にあるテーマはよく理解できるからこそ、そこに至る描写の甘さが気になるところはあった。思うに、序盤の寮生たちの超絶モテない描写がちょっと長すぎなのだよね。確かに楽しいんだけど、そこを長々やるなら、個々の寮生の内面を描くのに時間を割いたほうがいい。とはいえ、寮生の内面的変容をうまく描けているシーンもあって、例えば背骨の矯正器で自らの心をも縛ってしまっていたジョアンが解放される場面はとても美しい。「走れジョアン!」ってところで少しウルッときた。

それから寮生の一人、ナタリーを演じたエマ・ストーンが相変わらず(といってもこれは2008年の作品なんだけども)いい。彼女は自分を飾り立てずにユーモラスに見せられる人だよね。その聡明さとカラリとした雰囲気がすごく好き。同じく寮生の一人、モナを演じたカット・デニングスは、実はショートカットが似合う美少年顔だとわかっただけでも収穫。ただ、彼女の役はちょっと自分勝手に見えてしまうところがあって、もう少し内側をきっちり作ってやるべきキャラクターだったんだじゃないかと思う。

カラフルな衣装や部屋の内装、パーティーチューン満載のサウンドトラックには否応なくテンションが上がった。あんな狂乱のパーティーに参加する勇気はないけど、一度くらい遠くから眺めてキャーキャー言いたいかも(笑)。