尽きない眠気と広がる想像力――「リトル・ランボーズ」

昨日が帰宅後即就寝というかんじだったので、今日は空いた午後の時間にいろいろやる……つもりがあんまり進まなかった。やっぱり家で何かするのって忍耐力いるね。私はどうしても家だとゴロゴロしてしまう。

でも最低限のことはやって、映画も一つ観られた。観たのは、2007年の英仏合同制作作品「リトル・ランボーズ」(日本公開は一昨年)。宗教上の理由から娯楽を禁じられた少年ウィルと孤独な悪ガキリー・カーターの二人が、あの「ランボー」にインスピレーションを受けた「ランボーの息子」という自主映画を撮影する。

これはたいへん素晴らしかった。聖書いっぱいに書かれた落書きから始まる物語。シーンが進み、次第にウィルの事情が見えてくるにつれてわかるのだけど、あの聖書の中は彼にとって唯一自分の想像力を育て発揮することのできる場だ。テレビや映画といった娯楽を知らない彼の小さな小さな世界。それだけでも胸がいっぱいになるというのに、この映画はそんな彼の想像力が聖書を飛び出し、様々な大冒険(まさに「大冒険」と言うべき体の張りようでびっくり)を経て、一本の映画へと形を変えていくまでを描く。そんな物語、愛さずにいられないです。

初めて観た映画、「ランボー」にすっかり感化されてタンクトップ姿で駆け回るのも、フランスからの留学生に憧れて後をつけるのも、年上の生徒の輪に入って舞い上がり、そのせいで親友を傷つけてしまうのも、新しい世界に触れた少年の心の高鳴りを感じさせて瑞々しい。一方で、リー・カーターの兄を見つめる視線や泣きじゃくってクシャクシャになった顔はどうしようもなく切なくて、見ているこちらも胸が苦しくなる。

大人に比べると、小さな世界に生きる子どもたち。だからこそ一つ一つの(さほど重大でない)発見や出会いが大きな意味を持ち、彼らにとっては切実なものとなる。それをきっちり踏まえた上で、子どもたちの世界が開かれていく様が鮮やかに切り取られた良作、いや傑作。


思いのほか書くのに時間がかかってしまった……明日も眠いな。