最近聴いた新譜について簡単に

最近、円高で輸入盤が安いですね。今回とりあげる3枚のうちの2枚も輸入盤。1枚1399円で買えました。


Hysterical/Clap Your Hands Say Yeah

Hysterical

Hysterical

4年のブランクを経てのサードアルバム。

これまでの彼らにあんまり思い入れがないからか(前の2枚のアルバムも自分では買ってなくて友だちに借りた)、今回各所で言われてる変貌ぶりはそれほど「ショック!」ってかんじじゃないんだけど、それにしても変わったなーと思う。ヘロヘロフニャフニャだった歌やサウンドは力強くなり、ストリングのようなシンセの音色が印象的。「キラーズみたい!」という感想も見かけたけど、ほんとにそんなかんじで。

このスケールの大きいメジャーな音への転換は賛否両論あると思うが、私はすごく好き。先に書いたように、これまでの音にそんなに愛着がないから受け入れやすいというのも多少あるけど、単純に私はこのアルバムで彼らが手に入れた力強いポップネス、普遍性に惹かれているのだと思う。ガールズの新譜についても言えるけど、ろくなレコーディング機材も持たず、ローファイの極みのような、しかしだからこそ新鮮で特別な音を鳴らしていたアクトが、その新鮮さが失われ新たな一手が求められる段になったときに、メジャーなサウンドへ踏み込んで、より普遍的な音楽を掴みとっていこうとする姿とその末に手にする前向きなポップネスに、私はどうにも感動を覚えてしまうらしい。

で、どの曲もいいんだけど、個人的には4曲目のManiacがニューウェーブっぽくて(出だしのところでちょっとDEVOを思い浮かべた)一番クセになる。

Era Extrana/Neon Indian

ERA EXTRANA

ERA EXTRANA

ファースト聴かずにセカンドに手を出した。

チルウェイブ/グローファイと呼ばれるジャンルが私はまったくわからなくて、こんな音だなーと思い浮かべるのも難しいくらい今まで聴いてこなかったんだけど(特に理由はない、なんとなく聴く機会がなかった)、彼らの音はチルウェイブなのだろうか。いや、チルウェイブの代表的バンドとされているのは知っているけども、私がこのジャンルを全然知らないので、チルウェイブ云々という文脈ではまったく語れない。だから私は純粋に普遍的なシンセポップとして聴いた。うにょうにょと渦巻くサイケデリックなシンセサウンドは夢見がちで、でもどこか暗さも抱えていて、絶妙な捉えにくさと奥深さがある。光と闇の両面を持ったような不思議な音。この音世界にずぶずぶはまっていく感覚がたまらない。まだまだ全貌を現してないかんじがするので、これからが更に楽しみ。

2曲目のPolish Girlはキラーチューン。なんとなくFoster The PeopleのPumped Up Kicksに近いものを感じる。

Maminka/Czecho No Republic

Maminka

Maminka

前にもPV貼ったけど、日本のバンドです。これがファースト。

カラッとしたギターが小気味よく、軽やかなビートに心が弾む。オーソドックスな楽器編成によるシンプルなバンドアンサンブルが心地よく耳に馴染む。何よりメロディーが抜群に素晴らしい。格別にキュートなキラキラポップ。しかし同時にちょっとした寂しさも感じる。

聴いた瞬間にパッと何かが開くような、ピンとくるかんじがすごく気に入ってるアルバム。なかなか魅力をまとまった文章にできない。だからとりあえずまたこれを貼る。

今回の3枚はすべて当たり。どれも特定のジャンルに縛ることのできない、普遍的なポップアルバムでオススメです。