スタッブス先生からジェニーへのバトンタッチ

17歳の肖像」って本当に素晴らしい作品なんだなと今さらながら再認識する今日この頃。とりあえず全女子高生に観てもらいたいな。とても誠実で真摯で正直な映画だから。最初はあのラストに首を傾げても、経験を重ねていくうちにきっとわかる。自分の足で立つってどういうことか、大人になるってどういうことか。みんな最初はジェニー(キャリー・マリガン)なんだと思う。それがスタッブス先生のような人に出会って、いろんなことを学んで、そのジェニーちゃんもスタッブス先生になっていくんだと思う。教育ってのは、そうやって綿々と次の世代に伝えられていくもの。だからさ、その流れを切らないように私たちはしなきゃいけないんだよね。女の子はみんなスタッブス先生になろう。

そんでまあこれと関連して、っていうか、ほんとはこれから書くことのほうが上の話に先行してるんだけど、若い女の子が年上の人(特に男性)と趣味を通じて仲良くなったときにとにかく注意しなくちゃいけないのは、「受身にばかりならないこと」と「自分の意見を強くもつこと」なんだよね。何当たり前のことを、と思われるかもしれないけど、これは本当に重要だよ。年上で知識が深くて尊敬できる人に認められることが、自分のアイデンティティー、自分の価値になるわけではないってことを常に意識してないと。承認欲求は誰にでもあるけど、これは不健全だから。オススメされたものを柔軟に吸収するのはとてもいいことだけど、ただ受けとるだけじゃなくて自分からも何かしら発信するとか、つまんないときにはつまんないとはっきり言うとか、そういうのすごい大事。映画とか本が好きで学校では趣味のあう子がいないっていう女の子は、どうしても年上の人にいい趣味してると言われると(たぶん男の子以上に)舞い上がるし、別にこのやりとり自体はなんら悪いところないんだけど、そこから関係が発展していったときに不健全な方向にいく危険性を孕んでるってことに意識的でないとね。その人のオススメするもの、言ってることをすべて肯定し、そのことでその人から認められた感覚になる、しかもそれを成長と勘違いしてしまう、そういう危険性が常にあるんだってこと。このことはね、いつも考えてはいるんだけど、最近改めて考え直す機会があった。長々と書いちゃったけど、もしたまたまうちのブログきてこれを読んだ女子高生(女子中学生でもいいけど)がいて、その子の役にたったりしたら嬉しいなーと。そしたらそれが私のスタッブス先生への道の第一歩になるからね。