「キック・アス」公開前夜ですね
もうブログでもツイッターでも、キック・アス、キック・アス、キック・アスってうるさく言ってるんで(実は家でもうるさく言ってて、ママンに笑われる始末です)、私がいかにこの映画を楽しみにしているかはおわかりいただけると思うんだけど、公開前日にしてちょっと気持ちが落ち着いてきました。今は、普通に楽しみだなってレベル。しかし一体なんであんなに早く観たいって盛り上がっていたんだろうか…(←すでに過去の思い出感)。たしか期末テスト前、「『キック・アス』公開前に監督のマシュー・ヴォーンのお仕事をブログでまとめておきたい」って盛んに言ってたと思うんだけど、別にそんなに書くことなかろうよ、過去の自分。まあようするに語りたかっただけなんだと思うけどね。なにせマシュー・ヴォーンは親愛なるチーム・ガイ・リッチー(リッチー作品、あるいはマシュー作品に2つ以上関わったスタッフ、俳優の総称、勝手に命名しました)の(元)一員なのですから、何か書こうと思えばいくらでも書けるのですよ。そこでまあ公開前日というこのタイミングだし、せっかくなんでちょっと書いてみます。今語れるフィールドについて、ただもうひたすら文章構成など考えず書くので、文としてはたぶんひどいものになると思うんだけど、まあ長々としたメモ書き程度のものということで。
一応マシュー・ヴォーンという人について書いておくと、彼はもちろんイギリスの人なんですが、映画の世界で活躍するためにロサンゼルスにいたこともあるみたいですね。その後ロンドンに戻りリッチーと組んで「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」を製作。奥さんはスーパーモデルのクラウディア・シファー。ちなみにマシュー・ヴォーンのお父さんは、もともとロバート・ヴォーンだと思われていたんだけど、80年代になってから、実際には貴族のジョージ・ドゥ・ヴィア・ドラモンドが父だったということが判明したらしいですよ(なんかすげえ)。ちなみにリッチーはイングランド王エドワード1世の末裔です。なんだこのコンビ。
マシュー監督作品は「キック・アス」を除くとまだ「レイヤー・ケーキ」と「スターダスト」の2つしかありません。
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えっと、さっそく脇道に逸れましたが本題にかえって、「レイヤー・ケーキ」はそんなわけで迷走した作品だと思います。「ロック、ストック〜」や「スナッチ」のコメディっぽいところを除くってことは、あのリズミカルでスピーディーな、この2作品最大の魅力であるテンポのよさを殺すことになるわけだから。だから作品全体がダラダラした印象だし、その2作品を意識しすぎているので制約されてる感が強い。
でもマシューが偉いのは、この「レイヤー・ケーキ」のあとに「スターダスト」という作品を撮れたところだと思います。「スターダスト」は、ロンドンを舞台にしたクライムサスペンスの「レイヤー・ケーキ」から一変して、明るいファンタジックコメディです。マシューの出自(「ロック、ストック〜」も「スナッチ」も「ロンドンを舞台にしたクライムサスペンス」だもんね)から考えると、意外な路線。でもこの作品こそ、「キック・アス」に繋がる重要な作品じゃないかと思うんだよね(まだ観てないけどさ)。この作品の何がいいかというと、気負いなくただ純粋におもしろいところ。ハリウッド風のビッグな作品を目指そうとはせず、自分の身の丈にあった(というと少し表現がおかしいのだが)リラックスした作品、というかんじ。「レイヤー・ケーキ」で感じたような縛りは見受けられない。ストーリーも骨組みがしっかりしているし、ファンタジー作品として大切なポイントもおさえてる。あととにかく笑っちゃうんだよなあ。いちいちくだらないの。ただこの作品、DVDのパッケージがあんまりよくないかもしれないな。B級感漂ってるし、デ・ニーロがでかでかと写りこんでて彼に頼りまくってる印象を受ける(実際はそんなこともないです。この作品のデ・ニーロは最高ですが)。しかし、彼がこういう方向に舵をきれたのはどうしてなんでしょう。たぶん、「レイヤー・ケーキ」を撮ったことで、緊迫感のあるクライムサスペンスを撮るというリベンジは完結し、むしろ「スターダスト」以降の路線が彼本来のフィールドなのではないかと私は思っているんですけど。でもマシュー、けっこう天然そうなかんじなのでよくわかりません。天然なところがいいのかもしれないね。
そんで「キック・アス」ですよ。ツイッター等での感想を読む限り、この作品も徹頭徹尾おもしろそうですね。やっぱりマシュー作品の魅力は、純粋におもしろいところ(何度も言うように、まだ観てないけどさ)。これはつまり、自分のやりたいことをやりたいようにやれてるって証なんだろうね。マシューは監督した全作品で製作にも携わっていて、「スターダスト」、「キック・アス」の2作では脚本もやってる。ほとんど彼自身の手で一から作り上げてきている。だから、マシューさん、X-MENシリーズの最新作の監督に決まってるけど、こういうすでにベースが出来上がってて、シリーズとして確立されてるものはどうなんだろうとちょっと思うのですよ。でもアメコミとの相性はよさそうだから大丈夫かな。あと「キック・アス」で注目してるのは、マーク・ストロング、ジェイソン・フレミング、デクスター・フレッチャーという、チーム・リッチー=ヴォーンの3人。フレミングさん、デクスターは「ロック、ストック〜」からの仲だよね。フレミングさんは「スウェプト・アウェイ」以外、マシュー絡みの作品は全部出てるんじゃないかなあ。マーク・ストロング殿も、最近マシュー、リッチー両監督の作品にいろいろ出てますね。たぶん3人ともそんなに重要な役じゃないだろうけど(一番重要なポジションはおそらくストロング殿かな)、マシュー作品を支えてるのは彼らだと思うので。ここはあえて、各所で話題沸騰中のヒット・ガール役、クロエ・グレース・モレッツたんではなく、この3人を注目する役者として挙げたい。(でもマシューたん、フレミングさんの扱いひどいんですよ。「レイヤー・ケーキ」とか特にひどい。フレミングさんの使い方わかってるなあとは思うけど)
ああ、ほんとはこのあと「ロックンローラ」について書こうと思ってたんだけど(何故)、長くなってしまったのでどうしよう。いや、マシューとリッチー、迷走から先に抜け出したのはマシューだねってことが書きたかったんだ。そんで抜け出してからのマシューは圧勝だねってことを。リッチーはまだ引きずってる。というか彼のほうが引きずるものは大きいよ。「リボルバー」で大ゴケしたあと、「ロックンローラ」で復活し、「シャーロック・ホームズ」で新境地を開いたといわれるけども、まだリハビリ抜けきってないよね。というか、こないだ「ロックンローラ」再見して思ったけど、ロックンローラ>ホームズですね。それまで私はホームズ>ロックンローラだと思っていたんだけど。「ロックンローラ」は普通におもしろい作品です。「ロック、ストック〜」から10年、マクガフィンの使い方や見せ方の幅があの頃よりずっと広がってる。大人の質感というかんじ。実は「ロック、ストック〜」「スナッチ」よりも洗練されて、いい部分もあるんじゃないかと思う。でもこの作品がそれほど評価されないのは、約10年のキャリアを棒に振ったために、この年齢によって培った技巧を作品のレベルに練り上げる時間がなく、むしろ若かった頃の勢いが失われて妥協した作品という印象のほうが目立ってしまったからではないかなあという気がします。でもこれホームズよりは断然面白いと思う。ということで、私はこれまでホームズの続編をたいへん楽しみにしていたんですが、それよりも今は、早く「ロックンローラ2」をやりやがれと思っています。ストロング殿が演じるアーチーが超かっこいいんでそれも見たいし。
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「ロックンローラ」のこと書いたらめちゃくちゃ散漫な文章になってしまったな……。言いたかったのは、リッチーも早くマシューに追いついてってことです。リッチーもマシューのように一から自分の手で作るほうがよいと思われますね。資金集めから始まったという「キック・アス」の製作。純粋におもしろい作品を作ろうとしたんだろうなあ。予告なんか観てるとそういう楽しげなムードを感じる。だからきっと、作品も徹頭徹尾おもしろいんだろう(もちろん、まだ観てないけどさ)。明日が待ち遠しいです。観賞後にまた感想書きます。では最後にトレイラーを↓