Black & White/ブラック&ホワイト

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春のトム・ハーディー祭第1弾。トムハとクリス・パインリース・ウィザースプーンを取り合うと見せかけてイチャイチャします。

とりあえず、主演の二人には劇中のリースの言葉を借りて「何この人たち!」と言いたい。それくらい彼らの公然イチャつきは凄まじく、彼女がいようと敵と闘っていようとお構いなしである。男同士の深い絆を描くブロマンスなるジャンルが確立された昨今でも、これだけオープンかつストレートに男が男への愛を叫ぶ映画はそうないだろう。一応スパイアクションの体はとっているけれど、スパイ要素もアクション要素もほとんどはどうでもよくて、とにかくこの二人のイチャイチャが撮りたかったのだと思う。だから細部の作り込みは端から放棄しちゃっているし、映画としてはガタガタだが、その開き直りっぷりと潔さは決して嫌いじゃない。むしろそれくらいスッキリしてるほうが好きだ。しかしながら、同じようにあからさますぎるブロマンスをやりたい放題やった映画であれば、セックスの介在しないプラトニックなロマンスを突き詰めてアクション娯楽作品としても一つの到達点を示した「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」のほうが圧倒的に好みではあるのだけど。

トム・ハーディーとクリス・パインはどちらも好調で、二人のあべこべ具合がコミカルで楽しい。それぞれのイメージとは反対のキャラクター(トムハが真面目で一途、クリパがプレイボーイ)に配したキャスティングも絶妙。基本的にしっちゃかめっちゃかな映画ではあるのだけど、リース・ウィザースプーンのコメディエンヌっぷりにはさすがに安定感があって、映画を牽引していたと思う。まあ、最後をああいう落とし方にするのであれば、前半でもう少し入れておくべき描写があるだろうとか当然思ったりしたが、それでも主演二人がキュートだからよし!と思えるくらいには、役者のチャームを活かしたよい映画ではないでしょうか。