ミニミニ大作戦(1969)

ミニミニ大作戦」の1969年オリジナル版を観ました。いつだったか、どこかのブログで「ロック、ストック〜」はオリジナル版「ミニミニ大作戦」のオマージュ?的なことを読んで、それからちょっと気になってた作品です。こないだ近所のゲオでカーアクションの棚にちょこんと置いてあったのを見つけたんで借りてきました。

内容はけっこう想像通りだった。交通網を混乱させて輸送車の400万ポンドを強奪するというストーリーなので、普通ならプロフェッショナルな手口で華麗に盗みを遂行する流れを期待しがちなんだけど、そういうものはこの映画にはないってことは、「ロック、ストック〜」が引き合いに出されてることからわかってたし、たぶん音楽や映像がスタイリッシュなユルめのクライムアクションなんだろうと思ってた。実際その通りだったね。計画実行直前までどうでもいいことでモメるし、刑務所は超フリーダムだし、けっこう適当に流してる場面も多くて、「綿密な計画と華麗な犯罪ショー」みたいなものを見せてくれるスマートなクライムアクションではない。そういうものを期待して観ると、たぶん拍子抜けだと思う。この作品はおそらく端からそういうものを見せる気はなく、ユルいストーリーをスタイリッシュな映像と音楽(音楽はクインシー・ジョーンズ)で見せるっていう、ある意味余裕すら感じさせるオシャレな映画。例えばトリコロールカラーの車がイタリアの街をさっそうと走り抜ける場面とか車好きじゃなくてもかっこいいと思うし、登場人物の服装や映像全体の色使いなど、ヴィジュアルにかなり気を配っているのもわかる。だからけっこう雰囲気ものっていうか、ストーリー云々ではなくて、視角や聴覚で楽しみつつ、その一歩ひいた余裕のあるオシャレみたいなものを感じる作品なんだろうと思います。

登場人物はマイケル・ケイン(若い!かっこいい!)以外キャラがたってないし、計画の必要上存在してるだけの人もいて、そこがちょっともったいないと思った。あともっとマヌケなB級な感じかなと予想してたけど、終始ユルい展開でありながら絶対にB級にはならない、その線はわらないぞっていう意識があるように感じた。いい意味でも悪い意味でも、どこまでも洒落た映画で、そこが「ロック、ストック〜」とは全然違うとこ。

おもしろいかと訊かれると即答しづらいんだが、こういう雰囲気は嫌いじゃないなあ。愛しのジェイソン・ステイサムが出てるリメイク版も観ておきたいところ。

ミニミニ大作戦 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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